「保険サイズの見直し」
今回のテーマは保険サイズの見直しです。
なかには「一度加入した保険は満期まで保険料を払い続けるものだ」と思い込んだり、「解約は損!」と見直しを考えたことすらない人もいるのではないでしょうか。
確かに、解約せずに取っておいたほうがいい保険もあります。
契約のとき、保険会社は「あなたの払い込む保険料を●パーセントで運用します」と約束しています。これが最近よく耳にする「予定利率」です。金利が高かった頃は予定利率も高かったので、この頃に加入した終身保険、養老保険など貯蓄性の高い保険は、高利回りを享受できるメリットがあります
(ただし保険会社が存続し、「予定利率」が引き下げられないければの話です。保険会社が破綻してしまったり、予定利率の引き下げがあったりすれば話は変わってしまいます)。
低金利の今、解約が得策とはいえないケースもありそうです。どんな種類でなんの保障がついているか、予定利率はどれくらいかといった保険の内容、あるいはライフプランなどによって、見直しが必要となる時期は異なるでしょう。
しかし保険に加入しているなら、「最適な保険のサイズ」を考えての見直しが必要になることは確かです。
たとえば「子供が小さいから、働き盛りの自分に万一のことがあっては…」と加入した保険。死亡保障額の多い定期付き終身保険であったとしましょう。子供も巣立った定年後に初めて見直しをしたら、実は「定期部分」(高額の保障を一時的に用意するためのものと考えておいて下さい)はまるごと不必要になっていた――などというケースは十分考えられます。この場合、一生涯いつ亡くなっても保険金が受け取れる「終身部分」はそのまま続け、定期部分は解約するといった見直しが考えられるでしょう。
保険商品の仕組みについて、種類別の特徴など具体的な説明はまた別の回でお話していくこととして、保険サイズの見直しを公的保障の視点から見ていきたいと思います。
万が一、「生計維持者」が死亡したときには、公的年金から「遺族年金」が支給されます。受給できる年金は、死亡した人がどの年金制度に加入していたかによって異なってきます。
自営業者などで国民年金に加入している場合は、18歳未満の子供がいる妻あるいは子供に対して「遺族基礎年金」が支払われます。18歳未満の子供がいない場合でも、支給要件を満たせば「寡婦年金」か「死亡一時金」のどちらかを選択して受給することができます。
サラリーマンの場合も、18歳未満の子供がいる妻、あるいは子供に対して「遺族基礎年金」が支給され、さらに厚生年金からの「遺族厚生年金(共済組合からの場合は遺族共済年金)」が上乗せされます。支給額はそれまでの生計維持者の給与額をもとに算出され、支給は一生涯続くのです。子供が18歳になって遺族基礎年金の支給が停止されると、妻が65歳になるまで「中高齢寡婦加算」が支給されます。さらに、死亡退職金・弔慰金が支給される福利厚生制度が導入されている企業も数多くあります。
このように、勤務先や家族構成によって受給額は異なりますが、万が一のときには公的保障によって一定額を確保することができるのです。保険で用意しておきたい「必要保障額」を考える際には、残された家族が受け取ることができるであろう公的保障額を十分考慮し、“掛けすぎ状態”に陥らないよう注意してください。その上で定期的に保険サイズを見直していくことが大切です。
(日経マネーデジタルより)